リファラル採用

Ryohei Tsuda
3 min readSep 11, 2019

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ここ数年、リファラル採用という言葉を聞くことが多くなった。

リファラル(referral)は紹介とか推薦とかそういう意味で、知り合いの紹介で入社することを指している。ある人を採用しようとしていて、その人と共通の知り合いに人柄や仕事ぶりを聞くことを「リファレンス(reference)を取る」と言ったりもする。

自分が働いている会社でもリファラル採用の取り組みがされており、実際に知り合いの紹介で入社した社員が多数いる。最近ではリファラルで転職や副業を探す Web サイトもあるらしい。

リファラル採用には

  • 採用にかかるコストが低い
  • 転職市場になかなか出てこない優秀な人を採用できる

のようなメリットがあると言われている。

これに加え、最初からある程度の信頼関係が構築されていることもある。特に小さい会社では日々たくさんの意思決定がされるので、信頼関係が構築されておりコミュニケーションコストが低くなることは大きなメリットになる。

このリファラル採用だが、身の回りで起きたリファラル案件を見ているとうまく行かないケースもあるのかなーと思ったので自分の意見を整理するために書き残しておく。自分はこの逆をやっていきたい。

採用フローを大幅に省略する

これが最もヤバいケース。

紹介者が必ずしも被紹介者の能力を正しく把握しているとは限らない。通常の応募者と同じフローで、紹介者を省いた上で同じように面接するべき。

チームに適合するかを正しく評価できない、もしくはチームの課題を正しく認識していない人が採用すると、後からミスマッチが問題になることがある。

紹介する/される者が会社以外でも親密

逆説的かもしれないが、仕事以外で親密な間柄の人間が仕事の能力を正しく評価することは難しい。

友達だと無意識のうちに目が曇るというか、過大に評価をしてしまうことが多い。友達のことは分かっているようで分かっていない。

面接のフローが期待通り機能していて、面接官が会社やチームの課題と被紹介者の能力を正しく把握できれば問題はない。

紹介者の事実を認識する能力が低い

これは採用だけでなく reference を取る時にも言えることだが、その人の能力を正しく評価できない人に reference を取るとチームに合わない人を採用してしまったり、優秀な人を逃してしまうことがある。

このような人はチームが取り組むべき課題を正しく把握できていないので、そもそも採用すべきではない。仕事に関して自分の意見を主張するために嘘や願望を事実として話す人がいたら注意。

終わりに

私の個人的な意見としてはリファラル採用には肯定的で、身の回りでは失敗例よりむしろ成功例が多いと思う。

しかし、会社やチームが取り組んでいる課題が複雑化していくとリファラル採用のメリットが機能するケースはより少なくなっていくのではないかと感じる。

リファラル採用を続けていくと同質的な集団になってしまうので、複雑な課題を解くには不向きなチームができてしまうのでは。

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