会社が倒産したときに給与をもらう

Ryohei Tsuda
4 min readSep 18, 2018

He who is not courageous enough to take risks will accomplish nothing in life.

Muhammad Ali

会社というものは本当によく倒産する。

東京商工リサーチの調査によると、日本全国で2018年1月〜6月に4,138件の倒産があった。これは負債総額1,000万円以上の倒産のみを数えており、実態としてはこの数字より遥かに多くの会社が倒産していることになる(倒産の定義はこちら)。

2018年1–6月の全国企業倒産数(負債額1,000万円以上)

身の回りで聞いた話だけでも、投資家から資金を調達したが事業が全く上手くいかない、騙されてお金を持ち逃げされた、タダ働きになってしまった、社長がオンラインゲームにハマって会社に来ない…など様々な理由で倒産した、もしくは倒産寸前の会社がある。

会社が倒産するとき決まって話題になるのが、従業員に給与が支払われない(滞納されている)こと。そもそも支払えないから倒産するのだが…

従業員としては働いた分の給与を貰いたいものだが、そんな時に役に立ちそうな制度がある。厚生労働省が所管している未払賃金立替払制度だ。予め定められた手続を取ることで、未払となっている給与の8割弱を倒産した会社に代わって労働者健康安全機構が支払ってくれる。

支払額の上限など制限があるので、詳しくは機構のWebサイトを確認するのが良い。

左が法律上の倒産、右が事実上の倒産の場合の手続

立替払いの請求ができる期間は倒産の認定(法律上の倒産は裁判所、事実上の倒産は労働基準監督署によって認定)がされた日から遡って6ヶ月前から起算して2年以内。つまり、自分が退職して半年以内に倒産しない場合はこの制度が適用されない。なお、倒産が認定されてから2年以内に立替払請求を機構に申請(上図の⑤)しなければ立替払が受けられないので注意。

未払賃金立替払制度の対象期間

また、会社が倒産した場合は、会社都合退職と同様に待機期間なしで失業保険の給付を受けることができる。年齢によって支給額に制限があるが、贅沢をしない限り生活に困ることはないだろう。

経営者の中には「社員の生活がかかっているので…」と勝手に責任感を感じていらっしゃる方もいるが、日本にはこのような制度や失業保険など様々なセーフティネットがあるので、気にしなくてもいいのではと思っている。それよりちゃんと社会保険や雇用保険を支払って勤怠管理しよう。

また、大企業からベンチャーやスタートアップと呼ばれる小さな会社に転職するときに「会社が潰れたらどうしよう」などと考えてしまう方もいるが、潰れても上記の通り働いた分の給与は殆ど貰えるし話のネタにもなるので、もし現状の職場に不満があれば可能性を求めてどんどん転職することをお勧めしたい。

かの有名なボクサー、モハメド・アリもこう言っている。

「リスクを取る勇気がなければ、何も達成することの無い人生になる」

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