決算を読む話

Ryohei Tsuda
20 min readSep 14, 2020

1 ~ 2年くらい前まで経理の仕事をしていた。

そのときは上場(または上場準備)企業で働いていたので、いわゆる開示資料と呼ばれるような決算短信、有価証券報告書(届出書)などの文書を作るのも仕事の一つだった。仕事は面白かったのだが、一つ気がかりな点として「これ頑張って作ってもそんなに読まれないのでは…?」という考えを抱いていた。

というのも、有価証券報告書は文字ばかり 200 ページ以上にわたる会社もあり、どこに何が書いてあるか分かりづらいので読むのが辛い。従って多くの人は貸借対照表(BS: Balance Sheet)、損益計算書(PL: Profit and Loss)だけを読むのだし、自分もそれで十分だと感じることもある。

しかし、開示資料は多くの人(会社の人、監査人、印刷会社…)が協力して時間をかけて作られているものであり有益な情報も多いので、より活用が進んでほしいと思う。しかしながら、それらを有効活用するにはまず決算の全体像を効率的に掴む必要がある。

そこで、自分がよくやる「決算を読む方法」を具体例を挙げながら書いておくことにした。決算の読み方は人の数だけあるし自分はこの方法がベストだとも思っていないので「ふーん、こういうやり方の人もいるんだ」くらいの感覚で読んでもらえると嬉しい。

必要なもの

  • 開示資料(自分が知っている会社だとよい)
  • Excel か Google スプレッドシート

基本的な流れ

  1. 財務構造の仮説を立てる
  2. 実際の BS と PL を時系列で並べる
  3. 気になった箇所を深堀りする

クソ長い開示資料を漫然と読んでも得るものはないので、自分なりの仮説を持ってその正誤を明らかにする証拠を集めていくつもりで読むと効率的に決算を読めると思う。

主な開示資料

上場企業は下記のように様々な資料を投資家向けに開示している。大抵はその会社の Web サイトの「投資家向け情報」とか「IR」とか書かれているところに行けば読める。

  • 決算説明会資料: 決算説明会のプレゼンテーション資料。一番よくまとまっているので最初に読むことが多い。
  • 決算短信: 証券取引所の規則に基づく開示資料。最も早く開示される決算情報になる。
  • 有価証券報告書: 金融商品取引法に基づく開示資料。最も詳しいが遅い(決算日から3ヶ月後なので3月決算だと6月末に開示)。
  • 株主総会招集通知: 会社法に基づく開示資料。内容は有価証券報告書に書いてあるので後から読むことは少ない。実はだいたい企業の Web サイトで公開されてるので株主じゃなくても読める。
  • 適時開示: 投資家の意思決定に影響を与えるような事実が発生したら適時開示してねと証券取引所が定めている。過去1ヶ月分を TDnet で見られる。

この他、四半期(3ヶ月)ごとに四半期決算短信(短信の四半期版)や四半期報告書(有価証券報告書の四半期版)が出される。決算期は会社によって異なるが、日本では3月決算の会社が多い。

具体例を出しながらやってみる

フリマアプリを運営している株式会社メルカリが先月2020年6月期の決算を発表していたので、これを読んでみる。

  1. 財務構造の仮説を立てる
  2. 実際の BS と PL を時系列で並べる
  3. 気になった箇所を深堀りする

の順序で書く。

財務構造の仮説を立てる

まずその会社が「どこからお金を持ってきてそれが何に変わっているのか(BS)」と「どれだけ儲かっている/損しているのか(PL)」の大まかな構造を思い浮かべる。

自分が知っている会社ならそのまま書くし、よく知らない会社なら軽く決算説明会資料を読んでから描くことが多い。

たとえばメルカリなら商品を売る人と買う人がいて、メルカリはその仲介をして手数料(売上)を取っているから「買った人に対する債権」と「売った人に対する債務」が両方 BS に立つはず…そして買う人はすぐお金を払うけど売った人はしばらく引き出さないから、 BS の右側(負債)は積み上がるけど左側(資産)の債権は現預金に変わってるはず…売上を伸ばすために広告をたくさん使っているはず…クレジットカードの購入は決済代行会社を通していて手数料を払っているはず…というように、その会社の主要なビジネスから財務構造を思い浮かべる。

紙に書くと分かりやすいかもしれない。

BS → PL の順で構造を考えるとしっくりくる

財務モデルの専門家になるのでなければ適当でよい。自分もそのような教育や訓練を受けたことはないのでいつも適当にやっている。本格的に能力を高めてそれを仕事にしたかったら証券会社や投資銀行のアナリストになるのが良いと思う。

BREAKING INTO WALL STREET という Web サイトがあって、

Breaking Into Wall Street is the only financial modeling training platform that uses real-life modeling tests and interview case studies to give you an unfair advantage in investment banking and private equity interviews – and a leg up once you win your offer and start working.

だそうなので、興味のある方はやってみてください。

BS の金額が全てではない

メルカリは大量の資金を持っている一方で、その現預金の全てを自由に使えるとは限らない。

メルカリの預り金を管理する金融子会社であるメルペイは資金移動業の登録を受けており、滞留している資金の100%以上の額を履行保証金として保全、あるいは供託する義務が生じる(供託した場合は当該金額が現預金でなくたぶん固定資産に乗る)。資金決済法に基づく表示はこちら

会社がどのようなリスクや法的規制を抱えているかは有価証券報告書の 【事業の状況】 内の 経営方針、経営環境および対処すべき課題等事業等のリスク を読むと何となく分かる。大抵は役所や業界団体がその法令の運用に関する分かりやすいパンフレットとかを公開しているので、気になったら読んでみるといいかもしれない。

財務構造を思い浮かべるコツ

すぐ使えるものであれば製品やサービスを使ってみるのが早いが、そのような会社ばかりではない。

その会社の主要なビジネスから生じるお金の流れを理解するには決算説明会資料を読んだり有価証券報告書の 事業系統図 などを見るのが早い。

新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)より引用

米国の会社なら SEC Filings の Form 10-K (新規上場する会社なら Form S-1)の Revenue Recognition とかを読むとその会社がどのような流れで収益を得ているのかが簡潔に書かれている。 これに限らず米国の開示は日本と比べてちゃんとしているので、興味がある会社の Filings を読んでみると楽しいと思う。

実際の BS と PL を時系列で並べる

メルカリの2017年6月期から2020年6月期まで4年分の BS と PL を並べてみる。

こういうのはなるべく頭を使わずに作れると思い立ったときにすぐ手が動かせて便利だ。私は実績をコピペすると下のようなグラフにしてくれる自分用のスプレッドシートを作っている(貼り付けるのが面倒なのでそのうち自動化したい)。

連結 BS と PL

有価証券報告書の 第5【経理の状況】 1【連結財務諸表等】 を見ると載っている。最も早く読めるのは決算短信。

連結貸借対照表
連結損益計算書+包括利益

連結親会社の単体 BS と PL

メルカリでは日本事業を運営する株式会社メルカリが連結親会社。単体の財務諸表は有価証券報告書の 第5【経理の状況】 2【財務諸表等】 を見ると載っている。最も早く読めるのはたぶん株主総会の招集通知。

貸借対照表
損益計算書

気になった箇所を深堀りする

BS や PL の推移を眺めながら気になったことを調べていく…

取扱高と売上

メルカリの売上は取扱高の10%を占める販売手数料が大部分を占めていると思われるが、実際にそうだろうか?取扱高と売上を並べれば分かりそうだ。連結親会社である日本のメルカリの売上と日本事業の取扱高を比べてみると…

だいたい取扱高の9%強が売上

だいたい取扱高の 9.5% 弱くらいが売上になっている。なぜ販売手数料率と同じ 10% ではないかというと日本の消費税法上はメルカリの販売手数料は課税売上になるからだ¹。つまり消費税率が 10% であれば、本来は (10% * 1/1.1) で約 9.1 % が売上になるし、消費税が上がればその分少しずつ売上は減っていくことになる。メルカリに限らず取引額のいくらかを手数料としてもらうビジネスの多くは、手数料が課税売上である場合には将来的に消費税の上昇を織り込む必要があるかもしれない。

米国の消費税については詳しくないので、メルカリの米国事業の売上に消費税がかかるかは分からない。

何にお金を使っているのか?

取扱高や売上が伸びていることは分かったが、売上に比べて利益が少ないのではと思う人もいるかもしれない。会社は何にお金を使っているのだろうか。

メルカリでは人件費、広告宣伝費、決済手数料が費用の大部分を占めると思われる。決算説明会資料を見ると売上高に占める各種費用の割合が載っていたので引用してみる。

2020年6月期決算説明会資料(24ページ)

この図を見ると、広告宣伝費+支払手数料+人件費で売上の 40% ~ 60% 程度を占めていることが分かる。営業利益が売上の20 ~ 40% 程度なので、費用はほとんどこの3つであると言えそうだ。メルカリ程の大規模サービスであればおそらくサーバー代が結構かかってそうな気がするので、それを含めて4つで収益構造が説明できそうだ。売上に占める広告宣伝費の割合は徐々に減っているように見える。

金額ベースで見ると…

2020年6月期決算説明会資料(47ページ)

連結とか単体とか事業ごとの利益とか

上場企業にはたくさんの子会社を抱えている会社もあるが、それら子会社の業績が連結親会社と同じ粒度で詳細に開示されることはない。しかし、様々な事業をやっていればセグメントごとに売上や利益などの業績を開示することはある。複数のセグメントを持つ会社(たとえばサイバーエージェントとか)の決算を見ると雰囲気が分かると思う。

メルカリは単一セグメントだが、フリマアプリ「メルカリ」に加えて米国でのメルカリ事業と日本国内のメルペイ事業、鹿島アントラーズの合わせて4つの事業がある。日本国内のメルカリは利益が出ており(PL 上で当期純損失になっているのは関係会社の減損のためなので連結では実質的にほぼ影響なし)、米国メルカリとメルペイの2つはおそらく損失が出ていて、連結では大きな純損失になっている。鹿島アントラーズの決算はこちら

2020年6月期でいうと単体の経常利益が11,550百万円で連結の経常損失が19,391百万円なので1年で300億円近くの経常損失を米国メルカリとメルペイで出していそうだ(計算あってるかな…なお関係会社間の取引は考慮していない)。

金額だけを見ると大損してて大丈夫なのかなという感想を持つ。しかし、フリーマーケットアプリや決済事業のような 2-sided-platform はネットワーク効果が強く働くので、市場が拡がれば拡がるほど競合他社が後から逆転するのは難しくなっていく²。よって、将来の収益が期待できる限り資金を投下してネットワークを拡大していくのが競争戦略上合理的な選択と言うこともできる。もちろん全てが思い通りにいかないリスクもあるが…

2020年6月期の決算説明会資料によると第4四半期は COVID-19 の感染拡大による先行き不透明などで投資を抑制した結果として連結黒字になった(なお、取扱高は日本で前年比+28%、米国で前年比+88%と大きく拡大した)ということなので、実は黒字にしようと思えばいつでもできるのかもしれない。

連結事業から日本事業の業績を差し引けば残り3つの合計の売上や費用が出るのかというと、話はそう単純ではない。例えば2020年6月期の連結売上高は76,275百万円、日本単体では58,744百万円でその差は17,531百万円だが、鹿島アントラーズと米国事業(通期取扱高681百万ドル)を足してもそれほどの売上にはならない(メルペイの加盟店手数料は現在キャンペーン中で2021年6月まで無料なので外部向けの売上は少ないのではないかと予想)。これは関係会社間の売上/費用が連結決算時に相殺されているためで、それらの金額は 第5【経理の状況】 2【財務諸表等】【注記事項】 (損益計算書関係) とかを見ると分かる。もっとも、連結決算を行っている会社の単体の数字を詳しく分析するような機会はあまり無いかもしれないが…

株主構成

この会社にはどういう人達が投資しているのか?と気になったので、有価証券報告書の 第4【提出会社の状況】 (6)【大株主の状況】 や株主総会の招集通知を見る。

大株主の名前と保有割合が書いてあるので、拾って並べてみた。

これを見ると上場後3年間で創業者以外の大株主がかなり入れ替わっているようだ。上場前に投資していたベンチャーキャピタル(WiL、グローバル・ブレイン、イーストベンチャーズ、グロービス等)の保有割合が減っており、新しく入ってきた大株主は外国の会社が多いように見える。

メルカリの Web サイトで公開されている外国法人等による保有比率は40%以上とかなり高い(例えば2020年3月期決算の東証上場企業の中央値は10%未満で、保有比率40%以上は全体の2.35%だった)。

https://about.mercari.com/ir/stock/overview/

最近の適時開示

適時開示を読むとその会社に関する最近の大きな出来事が分かる。

たとえば 2020年7月22日の「特別利益(投資有価証券売却益)の確定に関するお知らせ」。これを読むとメルカリが投資有価証券を売却して70億円近い売却益を得、2021年6月期の特別利益として計上されると書いてある。

適時開示を見るにはは TDnet という東証がやっているサービスがあるのだが、直近1ヶ月しか見られない。日経のウェブサイトなら直近1年分くらい見られるので、こちらを使うのが良いかもしれない。

もっと詳しく知りたい人向け情報

注目されている会社では、様々な証券会社に属するプロのアナリストがいろいろ調査したり取材して書いたレポートが各証券会社から発行されている。決算に興味を持ったらアナリストのレポートを読んでみるとよさそう(たぶん各証券会社の投資情報サービスに入る必要がある)。

まとめ

決算を読むときは

  • 財務構造の仮説を立てる
  • BS と PL を何年分か並べてみる
  • 気になったことを調べる(ここで初めて様々な開示資料を活用する)

こんな感じでゆるくやればいいのではないだろうか。

最後に言いたいことを書く

この記事の本筋とは関係ないが、人に決算の話をするとき何回も同じ話をしてしまうのでここで供養する。

仮説の重要性

決算を読む目的は人によって様々だが、「この会社は将来的にお金を稼げるのか?」や「本来あるべき株価と比べて割高/割安か?」というところが気になる方が多いと思う。

その答えを探すとき、「この会社はいま何からお金を得て何に使っているのか」「経営陣はどのような成長ストーリーを描いていて、現状の進捗はどうなのか」「そのストーリーや進捗状況は他社と比較してどのような違いがあるか」という観点で読んでいくと様々な発見がある。

私が経理として働き始めた9年くらい前、 Amazon と Disney が周りでちょっとした話題になっていた。両者とも毎年巨額の売上を稼いでおり営業キャッシュフローや株価は伸び続けていたが、キャッシュフロー計算書(CF)等から見えてくる稼いだ資金の投資方針には明確な違いがあった。

Amazon は物流網やデータセンター、研究開発に巨額の資金を投じていたが、 Disney は世界の主要都市へのディズニーランド等のパーク建設が一段落しており、余った資金で大規模な自社株買いを行っていた。その結果として直近9年で Disney の株価はおよそ2.5倍になったが、その一方で Amazon は15倍になった。

これはタラレバの話だし Disney の内情に詳しいわけではないが、後から考えると世界で一番お客を集められるコンテンツを持っていた Disney こそ Netflix のようなオンラインストリーミングサービスに大きな投資をすべきだったのではないか(ちなみに上記と同じ9年間で Netflix の株価は40–50倍になった)。たくさん制作会社や放送局を抱えているとしがらみがあって難しいのだろうか。ちなみに現在は Disney+ とか ESPN+ とか Hulu とかいろいろある。

結局のところ財務会計は(ほとんどの人にとっては)その会社の将来的な成長可能性を検討するための手段の一つに過ぎない。そして将来の成長可能性を効率的に評価するには「何からお金を得て何に使っているのか」「どうやって成長するつもりなのか」の全体像を理解する必要があって、漫然と決算を読むのではなく自分なりの仮説を立てて取り組むことでしか深い insight は得られないと私は思う。

消費者の視点と財務構造の間に生じるズレ

一般消費者から見て同じような商売をしていても、フランチャイズ中心と直営店中心だと大きく財務構造や今後の成長戦略が変わったりする。ローソンとセブンイレブンの違いが分かりやすい。ローソンはセブンに比べてフランチャイズが少なく直営店が多い。これには経営上の理由もあるし、歴史的な背景もある。

Amazon と楽天は消費者から見ると似たようなサービスを展開しているが財務構造は全く違う。Amazon は BS に対して PL が大きく、楽天はその逆になっている。楽天は売買の仲介をして手数料を取るモデルであることもあるが、実は財務的には金融事業が中心になっている。実際、直近のセグメント別の利益を見ると金融事業が大きいことが分かる。

他にも自動車やゲーム、繊維や化学、不動産など様々な業界で同じような会社を比較してみると、似たような会社だと思っていたけど実は全く違う会社だったということがよくある。この辺の話は『「儲かる会社」の財務諸表 48 の実例で身につく経営力・会計力(光文社新書)』という本にいろいろ書かれている。タイトルが釣りっぽいのと5年前で多少データは古いのだが、非常に分かりやすく決算の読み方を説明されているので興味ある方はぜひ。

情報の非対称性

決算短信や有価証券報告書のような開示資料は投資家間の情報の非対称性を減らすためのものという建前で作られているのだが、実は日本とアメリカの両方で上場している場合アメリカ側の開示の方が充実している。

これはアメリカの投資家の方に熱心な方が多いのでリスクを回避するためにそうすることが多いと聞いたことがある。例えば LINE は日本とアメリカで上場しているのだが、日本の決算短信・有価証券報告書とアメリカの Form 20-F では書かれている内容が異なる。ページ数も密度も全く違う。

これには制度的な違いもあるが、 LINE でいうとアメリカ側で MAU/MPU やメッセージ数の月次推移とか細かい KPI が開示されてたり、あと日本ではさらっと数字だけ書かれているところに詳細な注記がついてたりとかする(たとえば LINE Pay の残高は日本では BS の一項目に過ぎないが、アメリカではそれが LINE Pay の残高と明記されていたりとか)。

自分が投資しようとする会社がアメリカでも上場していたら、アメリカの開示資料を読んでみるのがいいかもしれない。SEC Filing とかで検索するとたくさん出てくると思う。

業界に詳しくないが最近の日本の会社は NYSE とか NASDAQ とかに上場するより SEC への登録なしで米国の適格機関投資家に株を売れる Rule 144A が多いと思うので SEC Filings は無いことが多いかも…(メルカリとかラクスルとか SanSan とか freee とか)

好奇心

有価証券報告書や Form 10-K のような分厚い開示資料を読むのは(それを仕事にしている人にとっても)骨が折れる。しかし、ある程度その会社の主要な製品やサービスを利用しておりビジネスに対する好奇心があると、頭の中で主要な KPI や財務構造がこのくらいかな?という仮説ができる。それと比較しつつ正しかったり誤っていたりを確認しながら読んでいくといつの間にかその会社に詳しくなっていたりする。

私が働いているいわゆるIT業界だと、ここ何年かでいくつか有名な会社の上場があった。Slack や PagerDuty、Datadog、 Fastly …等。Slack と Fastly については上場時に目論見書をよむブログを書いてみた。

こういう会社のサービスを使っているソフトウェアエンジニアの皆さんは、自分たちが使っているサービスのビジネスモデルとかどのくらい儲かってるかを調べてみても面白いんじゃないかなと思う。

最後に

財務諸表やその他の開示資料、ニュース等を読んだり比較することで他の人が気づいていない事実に気づくこともできるので、会計はなかなか面白い。

開示資料の利用が進むと「こういった情報も開示すべき」とか「ここをこうしたらもっと分かりやすくなる」みたいな議論が進むと思うので、皆さんにも活用してほしい。

¹ ちょっと分かりにくいのだが、メルカリが商品の出品者からもらう販売手数料は課税売上になるものの、出品者と購入者との間の取引は(出品者が事業者ではない場合は)消費税は課税されないと考えられる。消費税の仕組みについてはこちら^

² 逆転が難しいというだけで、市場そのものが拡大していくので事業として成立するケースはたくさんあると思う。特定の商品や顧客に特化したアプリなど。 ^

--

--